耳文法N3_SLIDE_Unit10_99-110

N3文法 UNIT10

1. ~とか
接続
[N/V/A] 普通形 + とか

意味
不確かな伝聞(〜だと聞いた)を伝える時に使う。主に会話で使われる。

例文
例 1
明日あした英語えいご授業じゅぎょうやすみだとかいたけど、本当ほんとう?」
例 2
母様かあさま入院にゅういんなさったとか。具合ぐあいはいかがですか。(手紙てがみ
例 3
えき人身事故じんしんじこがあったとかで電車でんしゃまり、遅刻ちこくしてしまった。
例 4
九州地方きゅうしゅうちほう今年ことしあめすくないとか。水不足みずぶそく心配しんパイだ。
例 5
*「さっき、原田はらださんとかいうかたからお電話でんわがありました」
注意
  • 「~という/~って」と間違えやすい。→「~とか」は不確かな伝聞や、曖昧な引用を言う時によく使われる。
  • 会話や手紙でよく使われる。→「〜だと聞いた」という軽いニュアンスで、断定しない。
  • 情報源が確かな場合には使わない。→より確実に伝えたい場合は「~ということだ/~そうだ」を使う。

2. ~だけ
接続
[V/A] 名詞修飾型 + だけ

意味
程度や範囲(〜の限界まで)を表す。「できるだけ」「好きなだけ」の形でよく使われる。

例文
例 1
試験しけんわったら、きなだけあそびたい。
例 2
べたいだけべていいですよ」
例 3
「あしたはできるだけはやます」
例 4
できるだけのことはやったつもりだ。
例 5
地位ちいがれば、それだけ責任せきにんおもくなる。(=程度ていどおうじて)
注意
  • 限定の「〜だけ(のみ)」と間違えやすい。→N3では、程度や範囲を表す「できるだけ」「好きなだけ」の意味でよく使われる。
  • 「~しか」との違い。→「~しか」は常に否定形と結びつき、限定のニュアンスを持つが、「~だけ」は中立的で肯定的な文脈でも使える。
  • 「それだけ」と「~だけ」の違い。→「それだけ」は「その程度に応じて」という意味(代名詞)であり、限定の文法ではない。

3. ~ばかりでなく
接続
N / [V/A] 名詞修飾型 + ばかりでなく

意味
「AだけでなくBも」と情報を付け加える時に使う。

例文
例 1
彼女かのじょ英語えいごばかりでなく、フランスやドイツはなせる。
例 2
このほんはただ面白おもしろいばかりでなく、仕事しごとにも役立やくだつ。
例 3
自分じぶんのことばかりでなく、ひと気持きもちもかんがえなさい」
例 4
あのスーパーは商品しょうひん豊富ほうふなばかりでなく、値段ねだんやすい。
例 5
かれあたま回転かいてんはやい。そればかりではなく、発想はっそうもユニークだ。
注意
  • 「~だけでなく/~はもちろん」と間違えやすい。→「~ばかりでなく」はやや硬い表現で、書き言葉でよく使われる。
  • 後ろの文でより強調したいことを述べる。→「AばかりでなくBも/まで」の形でよく使われる。
  • 単なる例の列挙には使わない。→例を挙げる場合は「~など」を使う。

4. ~かけ/かける
接続
Vマス形 + かけ/かける

意味
動作がまだ終わっていない、途中の状態を表す。

例文
例 1
きかけの手紙てがみ
例 2
みかけのほん
例 3
べかけのりんご
例 4
わすれかけていた記憶きおく
例 5
「やりかけたことは最後さいごまでちゃんとやりなさい」
例 6
彼女かのじょなにいかけたが、すぐにくちじてしまった。
注意
  • 「~中/~途中」と間違えやすい。→「~かけ/かける」は「やりかけで放置されている」状態を強調し、中断されやすい。
  • 名詞化と動詞の違い。→「~かけ」は途中の状態(名詞)。「~かける」は動作を始めてまだ終わっていないこと(動詞)。
  • 「~かかった(時間・お金がかかる)」と間違えやすい。→ここでの「かける」は「やり始める」という意味。

5. ~をこめて
接続
N + をこめて

意味
ある行為に、強い感情や思いを注ぎ込むことを表す。

例文
例 1
はは誕生日たんじょうびに、こころをこめてんだセーターをおくった。
例 2
先生せんせいへの感謝かんしゃ気持きもちをこめて、みんなで手紙てがみいた。
例 3
子どもたちは平和へいわへのいのりをめて千羽鶴せんばづるった。
例 4
あいちから皮肉ひにくねがい + をこめて
例 5
*「こころのこもったおもてなしをありがとうございます」
注意
  • 目的の「~ために」と間違えやすい。→「~をこめて」は、行為や物に込められた感情や思いを強調する。
  • 「気持ち/愛/感謝」などの言葉と一緒によく使われる。
  • 実用的な目的には使わない。→明確な目的がある場合は「~ために/~ように」を使う。

6. ~わりに(は)
接続
[N/V/A] 名詞修飾型 + わりに(は)

意味
基準や予想から考えられる程度とは違っていることを表す。「〜の基準からすると…」

例文
例 1
山田やまださんは留学経験りゅうがくけいけんがないわりに英語えいご発音はつおんがきれいですね」
例 2
この仕事しごと大変たいへんなわりに給料きゅうりょうやすい。
例 3
あのレストランは値段ねだんのわりに(=値段ねだんやすいわりに)おいしくてりょうおおい。
例 4
彼女かのじょはやせているわりには丈夫じょうぶちからつよい。
例 5
今度こんど試験しけんはあまり勉強べんきょうしなかった。そのわりには成績せいせきがまあまあでほっとした。
注意
  • 「~のに」と間違えやすい。→「~わりに(は)」は「基準・予想に反して」という結果を強調する。
  • 前の文が比較の基準になる。→「Nのわりに/V普通形わりに」の形でよく使われる。
  • 必ずしも非難の意味を持つわけではない。→「~のに」は不満の感情が強いが、「~わりに」は単なる評価・感想の場合もある。

7. ~くせに
接続
[N/V/A] 名詞修飾型 + くせに

意味
逆接を表し、非難や軽蔑のニュアンスを伴う。主に会話で使われる。

例文
例 1
石田いしださんはつぎにテストがあることをっていたくせに、おしえてくれなかった。
例 2
ははうた下手へたなくせに、マイクをつとはなさない。
例 3
最近さいきん若者わかものからだおおきいくせに、体力たいりょくはないようだ。
例 4
どものくせして(/なにらないくせに)えらそうなことをうな」
例 5
松井まついさんは、自分じぶんなにもしない。そのくせひとのすることには文句もんくう。
注意
  • 「~のに/~くせして」と間違えやすい。→「~くせに」は非難や軽蔑のニュアンスが強く、話し言葉寄り。
  • 中立的な対比には使わない。→単なる対比の場合は、文脈に応じて「~のに/~一方で/~反面」などを使う。
  • 相手の行動に対する不満を表す時によく使われる。

8. ~てみせる
接続
Vて + みせる

意味1(他人にやって見せる)
相手を安心させたり、納得させたりするために、実際にその行為をして見せることを表す。
意味2(強い意志)
話し手の「絶対に〜する」という強い決意や意志を表す。

例文
例 1
言葉ことば説明せつめいするのがむずかしいことでも、実際じっさいにやってみせればすぐにわかる。
例 2
子どもが不安ふあんそうだったので、母親ははおやは「大丈夫だいじょうぶよ」とうように、うなずいてみせた。
例 3
「ほんとにそんなこと、できるのか」「できるよ」「じゃ、やってみせろよ」
例 4
今度こんどこそ、ぜったいってみせる。
例 5
今年ことしはだめだったけど、来年らいねんかなら合格ごうかくしてみせる。
注意
  • 「~てやる/~てあげる」と間違えやすい。→「~てみせる」は「やって見せる」という強い意志や決意を強調する。
  • 決意や挑戦のニュアンスを持つことが多い。→自分の能力を証明したい時によく使われる。
  • 「試しにやってみる(~てみる)」とは異なる。

9. ~をきっかけに/にして/として
接続
N + をきっかけに/にして/として

意味
ある出来事が動機や契機となって、次の変化や発展が起こることを表す。

例文
例 1
大学入学だいがくにゅうがくをきっかけに、一人暮ひとりぐらしをはじめた。
例 2
留学りゅうがくをきっかけに、自国じこく文化ぶんかについてかんがえるようになった。
例 3
大統領だいとうりょう来日らいにちをきっかけにして、日本人にほんじん米国べいこくたいする関心かんしんふかまった。
例 4
ちょっとした事件じけんをきっかけとして、やがて死者ししゃ暴動ぼうどうへと発展はってんした。
注意
  • 「~をもとに」と間違えやすい。→「~をきっかけに/にして/として」は、変化や発展の「契機・スタート地点」であることを強調する。
  • 前件(A)がきっかけとなる出来事。→その後、新しい変化が起こる。
  • 単なる直接的な理由には使わない。→単純な原因・理由の場合は「~から/~ので」を使う。

10. 「とする」を使った仮定表現
接続
[N/V/A] 普通形 + とする / としたら / とすれば / とすると / としても

意味
まだ起きていない状況や条件を仮定し、そこから推論したり意見を述べたりする時に使う。

A. ~とする(〜と仮定する)
例 1
太陽たいよう直径ちょっけい1メートルのたまだとします。すると地球ちきゅうは9ミリくらいです。
B. ~としたら/すれば/すると(もし〜と仮定したら、〜の場合)
例 1
「お見舞みまいにくとしたら何時なんじごろがいいだろうか」
例 2
A=B, B=Cとすると、A=Cである。
例 3
あの工場こうじょう廃水はいすい病気びょうき原因げんいんだとすれば、当然とうぜん補償問題ほしょうもんだいてくるだろう。
例 4
かれ犯人はんにんでないとしたら、だれがぬすんだのだろう。
例 5
成績優秀せいせきゆうしゅう佐藤さとうさんにもむずかしいとすれば、わたしになどわかるわけがない。
例 6
休日きゅうじつ無理むりだとすると、平日へいじつよるあつまるしかありませんね」
C. ~としても(たとえ〜と仮定しても)
例 1
チャレンジ精神せいしんこそ大切たいせつだ。もし失敗しっぱいしたとしても、後悔こうかいはしないぞ。
例 2
かれくるしんでいたとしてもそれをかおにはさなかったので、わたしにはわからなかった。
例 3
たとえ可能性かのうせいひくいとしても、やってみる価値かちはある。
例 4
*その試合しあいくのは無理むりだとおもう。けるとしたって、試合開始しあいかいしにはわないだろう。
注意
  • 他の仮定表現と間違えやすい。→「~とする」は「〜と仮定する」という意味で、架空の条件を設定する時によく使われる。
  • 必然的な結果を表す「~とすると」と混同しないこと。→「~とする」は「仮定する」こと。「~とすると」は推論による「そうだとすれば」という意味になることがある。

11. ~際に/際(に)は
接続
[N + の] / Vる / Vた + 際 に/際(に)は

意味
事が起こる時を表す。「〜の時」より硬い表現。

例文
例 1
「おりのさい足元あしもとにご注意ちゅういください」(物内ものないのアナウンス)
例 2
外国人登録がいこくじんとうろくをするさい必要ひつよう書類しょるいおしえてください」
例 3
今度こんど日本にほんへいらっしゃったさいには、ぜひにおまりください」
例 4
*きょうは安売やすうりしている。このさいだから、まとめて1ダースっておこう。(=いい機会きかいだからおもって)
注意
  • 「~とき」と間違えやすい。→「~際に/際(に)は」はよりフォーマルで、案内やお知らせなどでよく使われる。
  • 手続きなどの行為と一緒に使われることが多い。→例:「ご利用の際は…」「入場の際に…」
  • 親しい会話ではあまり使わない。→日常会話では「~とき」の方が自然。

12. ~おそれがある
接続
[N/V] 名詞修飾型 + おそれがある

意味
将来、悪い結果が起こる可能性があることを表す。主に書き言葉やニュースなどで使われる。

例文
例 1
このくすり副作用ふくさようのおそれがあるので注意ちゅういしなければならない。
例 2
出席率しゅっせきりつわるいと、ビザの更新こうしんができないおそれがある。
例 3
かぜつよく、火事かじひろがるおそれがあったので、付近ふきん住民じゅうみん避難ひなんした。
例 4
警察けいさつは、犯人はんにんはすでに国外こくがい逃亡とうぼうしたおそれがあるとている。
例 5
*「四国南部しこくなんぶ地震じしん発生はっせいしました。しかし、津波つなみおそれはありません」
注意
  • 「~かもしれない」と間違えやすい。→「~おそれがある」は「悪いことが起こる危険性」を表し、より深刻なニュアンスがある。
  • 書き言葉、お知らせ、警告などでよく使われる。→ニュースや安全に関する資料でよく見られる。
  • 個人的な軽い心配事には使わない。→主観的な心配の場合は、文脈に応じて他の表現を使う。