耳文法N3_SLIDE_Unit4_29-38

N3文法 UNIT4

~くらい / ~うちに / ~にとって…

文法 1:~くらい/~ぐらい
意味 1:約…、…ぐらい(概算・推量)
接続:N / 数量 + くらい/ぐらい
例 1
ここからえきまで10分じゅっぷんぐらいだ。

意味 2:…ほど、…くらい(程度)
接続:普通形 + くらい/ぐらい
例 1
もううごけないくらいつかれた。
例 2
ライバルにけた。くやしくてきたいぐらいだ。
例 3
かれくらいのたかさなら、たなとどくだろう。

意味 3:…くらい、…程度(軽視・最低限)
接続:N / Vる + くらい
例 1
かぜくらいで仕事しごとやすめない。
例 2
これぐらいのきずなら医者いしゃかなくてもいいだろう。
例 3
半年はんとし勉強べんきょうしたので、簡単かんたん会話かいわくらいならできる。
例 4
いそがしくても、電話でんわをするくらいの時間じかんはあるはずだ。
例 5
「こんなことをらないのはきみくらいだよ」

💡 注意点:

  • 3つの用法(概算、程度、軽視)を混同しないように注意。
  • 文脈で意味を判断する:数量・時間の後は「概算」。節の後は「程度」。
  • 軽視のニュアンスがある場合、「約」と訳さないように注意。

文法 2:~くらいなら/~ぐらいなら
意味:…するくらいなら、むしろ…(…するよりはマシだ)
接続:Vる + くらいなら
例 1
途中とちゅうでやめるくらいなら、はじめからやらないほうがいい。
例 2
かねのためにいやな仕事しごとをするくらいなら、まずしくてもいい。
例 3
あいつにあやまるくらいなら、んだほうがましだ。
例 4
練習れんしゅうつらくてくぐらいなら、やめてしまいなさい」

💡 注意点:

  • 「~たほうがいい」との違い:「~くらいなら」は「AよりはBのほうがマシ」という消極的な選択を表す。
  • 後件には「~ほうがマシだ」「~ほうがいい」などが続き、前件(A)を強く否定する。
  • 程度の「くらい」ではなく、選択を表す。

文法 3:~うちに
意味 1:…している間に(状態が変わる前に)
接続:Nの / Naな / Aい + うちに
Vない / Vている + うちに
例 1
くらくならないうちにやまりたい。
例 2
祖父そふ元気げんきなうちにいろいろなところ旅行りょこうしたいとっている。
例 3
あしたはははだ。ははているうちにあさごはんをつくっておどろかせよう。
例 4
10代じゅうだいのうちに将来しょうらい目標もくひょうめたいとおもっている。
例 5
大事だいじなことはわすれないうちにメモしておいたほうがいいですよ」

意味 2:…している間に(予想外の変化)
接続:Vない / Vている + うちに
例 1
テレビをているうちにてしまい、試験しけん勉強べんきょうができなかった。
例 2
切符きっぷっているうちに電車でんしゃてしまった。
例 3
しばらくわないうちに、そのはずいぶんおおきくなっていた。

💡 注意点:

  • 2つの用法の違い:「状態が変わる前に意図的に行動する」用法と、「~している間に自然に変化が起きる」用法がある。
  • 後件によって意味が決まる。意図的な行動なら前者、無意識の変化なら後者。

文法 4:~を中心に/を中心として/を中心にして
意味:…を中心に(して)/…を中心として
接続:N + を中心に/を中心として/を中心にして
例 1
駅前えきまえ中心ちゅうしん再開発さいかいはつすすめられ、あたらしいビルが次々つぎつぎてられている。
例 2
今度こんど日本にほん代表だいひょうチームは主将しゅしょう中村なかむら選手せんしゅ中心ちゅうしんによくまとまっている。
例 3
A社エーしゃ中心ちゅうしんにしてABC3社エービーシーさんしゃ合併がっぺい計画けいかくすすめられている。
例 4
この地域ちいきでは大学生だいがくせい中心ちゅうしんとする若者わかものたちがあつまり、ボランティア活動かつどうをしている。

💡 注意点:

  • 「~をはじめ」との違い:「~を中心に」は「Nを真ん中・中核にして広がる」ことを強調し、単なる代表例の列挙ではない。
  • 組織や活動を表す言葉(例:東京を中心に、若者を中心に)とよく一緒に使われる。
  • 単なる「主に」という意味ではなく、「中核」という意味合いがない場合は使えない。

文法 5:~をはじめ
意味:…をはじめ(として)(代表例を挙げる)
接続:N + をはじめ
例 1
最近さいきん携帯けいたい電話でんわにはカメラをはじめとして、いろいろな機能きのうがついている。
例 2
新宿しんじゅくには都庁とちょうをはじめ、おおくの高層こうそうビルがならんでいる。
例 3
サミットにはアメリカをはじめとする各国かっこく首脳しゅ脳あつまる。
例 4
校長こうちょう先生せんせいをはじめ、先生方せんせいがたには大変たいへん世話せわになりました。

💡 注意点:

  • 「~など」との違い:「~をはじめ」は代表的なものを一つ挙げ、「他にもある」ことを暗示する。
  • 後件には「~など」「~を含め」「~を中心に」などが続き、範囲を広げることが多い。
  • 全てを列挙する場合や、限定されたリストには使えない。

文法 6:~に対し(て)
意味:…に対して(対象・方向)
接続:N + に対し(て)
例 1
目上めうえひとたいしては敬語けいご使つかわなければならない。
例 2
先生せんせい学生がくせいのどんな質問しつもんたいしても、ていねいにこたえてくれる。
例 3
きびしいちちたいし、わたしはいつも反抗的はんこうてき態度たいどをとった。
例 4
長引ながび不況ふきょうで、国民こくみん政府せいふたいする不満ふまんたかまっている。
例 5
彼女かのじょ自分じぶんたいして非常ひじょうきびしいひとだ。

💡 注意点:

  • 対比の「~に対して」との違い:ここでは「対象・方向」を表し、「Aは~だが、Bは~」という対比ではない。
  • 前後に対比関係がない場合は、通常「対象」の意味になる。
  • 対象に向かう行為(例:返事をする、意見を言う、質問するなど)とよく一緒に使われる。

文法 7:~において
意味:…において(場所・時間・場面・分野)
接続:N + において
例 1
近代きんだい工業こうぎょうはヨーロッパにおいて誕生たんじょうした。
例 2
災害時さいがいじにおいては、冷静れいせいになることがなによりも大切たいせつだ。
例 3
卒業式そつぎょうしきは○○ホールにおきまして10よりおこなわれます。
例 4
しゃくるまは、安全性あんぜんせいにおいてはどこにもけません。
例 5
明治めいじ時代じだいにおける学校がっこう教育きょういくについて研究けんきゅうしたい。

💡 注意点:

  • 「~で」との違い:「~において」はより硬い表現で、書き言葉やニュース、お知らせなどで使われる。日常会話には不自然。
  • 場所だけでなく、時間、場面、分野(「~の点において」など)にも使われる。

文法 8:~にわたって/わたり
意味:…にわたって(期間・範囲の全体)
接続:N + にわたって/わたり
例 1
国立こくりつ競技場きょうぎじょうでは2週間にしゅうかんにわたって熱戦ねっせんひろげられた。
例 2
台風たいふうちかづき、関東かんとう地方ちほう全域ぜんいきにわたって暴風ぼうふう警報けいほうされた。
例 3
がけくずれのため、その道路どうろは10キロにわたり通行止つうこうどめになった。
例 4
病院びょういん食生活しょくせいかつ全般ぜんぱんにわたる指導しどうけた。
例 5
20年にじゅうねんにわたった内戦ないせんわり、国民こくみんかおにもようやく笑顔えがおられるようになった。
例 6
その会議かいぎでは、多岐たきにわたる問題もんだい議論ぎろんされた。

💡 注意点:

  • 「~間/~中」との違い:「~にわたって」は範囲が広く、連続していることを強調し、規模が大きいニュアンスを持つ。
  • 長い期間や広い範囲(例:数年間、全国、全域など)とよく一緒に使われる。
  • 非常に短い期間や単発の出来事には使えない(「1時間」なら「1時間(の間)」を使う)。

文法 9:~にとって
意味:…にとって(評価・判断の立場)
接続:N + にとって
例 1
東京とうきょう若者わかものにとっては刺激しげきのある魅力的みりょくてきまちだ。
例 2
百万円ひゃくまんえんわたしにとっては大金たいきんだが、かれにとってはたいした金額きんがくではないようだ。
例 3
わたしにとって日本にほんは、自分じぶんゆめ実現じつげんするためのくにだ。
例 4
規制きせい緩和かんわ政府せいふにとっても民間みんかん企業きぎょうにとっても切実せつじつ問題もんだいだ。
例 5
わたしにとっての故郷こきょうとは、青春せいしゅん時代じだいごしたあのまちしかない。

💡 注意点:

  • 「~には」との違い:「~にとって」は「Nの立場から見ると」という意味で、評価や判断を表す。後件には評価を表す言葉(例:大切だ、難しい、便利だなど)が続く。
  • 直接的な行為の対象には使えない(「誰かに向かって何かをする」場合は「~に対して」を使う)。

文法 10:~による/より/よって/よっては
接続:N + による/より/よって/よっては
意味 1:…によって(原因・理由)
例 1
森林しんりん伐採ばっさいにより、世界せかい各地かくち砂漠化さばくか現象げんしょうこっている。
例 2
今度こんど台風たいふうによる被害ひがい1億円いちおくえんのぼる。

意味 2:…によって(手段・方法)
例 1
インターネットによって瞬時しゅんじ大量たいりょう情報じょうほうられるようになった。
例 2
電話でんわによるおわせはご遠慮えんりょください。

意味 3:…によって(根拠)
例 1
成績せいせきによってクラスをめる。
例 2
目撃者もくげきしゃ証言しょうげんにより、犯人はんにん逮捕たいほされた。

意味 4:…によって(対応・違い)
例 1
文化ぶんか法律ほうりつくにによってちがう。
例 2
ひとにより、この商品しょうひん評価ひょうかかれる。

意味 5:…によっては(場合・例外)
例 1
によっては、旅行りょこう参加さんかできないかもしれません」
例 2
くにによっては安楽死あんらくしみとめられている。
例 3
時々ときどきくもり、ところによりあめ

💡 注意点:

  • 「原因」と「手段」の混同に注意:「~によって」は原因・理由を表す場合と、手段・方法を表す場合がある。
  • 前のNで判断する:人・出来事・災害などは「原因」、方法・道具などは「手段」になりやすい。
  • 「~によっては」に注意:「場合・人・場所によって違う」という意味であり、原因ではない。