N3文法 UNIT2
願望・条件・使役
1. ~てほしい/もらいたい
| 接続 | Vて(Vないで)+ほしい/もらいたい |
|---|---|
| 意味・解説 | 他人に何かをしてほしい、またはしないでほしいという願望や要求、依頼を表す。文脈によって軽い依頼から明確な要求までニュアンスが変わる。 |
例文
例 1
親には長生きしてもらいたい。
例 2
子どもには、皆に愛される人間になってほしいと思う。
例 3
「みんなに食べてもらいたいと思って、きょうはケーキを焼いて来ました」
例 4
「これはここだけの秘密だから、だれにも言わないでほしい」
例 5
「すみません、ちょっと見てもらいたいものがあるんですけど」
注意点:
- 「~たい」と間違えやすい。→「~てほしい/もらいたい」は他人に動作を求める表現であり、自分自身の願望ではない。
- 対象者に注意。→ 話し手が「誰か」に何かをしてほしい(またはしないでほしい)ことを表す。
- 依頼や要求のニュアンスがある。→ 試験では、文脈に応じてより丁寧な表現が使われることが多い。
2. ~ば/たら/と。。。たい/のに/よかった
| 接続 | ~ば/~たら/~と … たい/のに/よかった など |
|---|---|
| 意味・解説 | 現在の事実とは異なる願望や、現実にはないことを表す。「~よかった」を伴う場合、「あの時~していれば…」という過去に対する後悔や残念な気持ちを強調する。 |
例文
例 1
もし私が医者だったら、病気で苦しむ人たちを助けてあげられるのに。
例 2
「買わないんですか」「ええ、もう少し安ければ買うんですけど」
例 3
もう少し時間があれば、全部できたのに。
例 4
あのときもう少し勇気があったら、彼を助けてあげられたかもしれない。
例 5
友だちを怒らせてしまった。あんなこと、言わなければよかった。
注意点:
- 通常の条件文と間違えやすい。→ 現在の事実とは異なる願望や、実際には起こらなかったことを表す。
- 後件でよく使われる表現に注意。→ 「~たい/~のに/~よかった」などが続き、「~であればよかったのに」という気持ちを表す。
- すぐに実現可能な条件には使わない。→ 実際の計画や条件の場合は通常の条件文を使い、願望のニュアンスは持たない。
3. 使役形を使った表現
| V(使役形) | 許可、不許可、放任、または強制を表す。 |
|---|---|
| V(使役形)+てしまう | 不注意などで悪い結果を招いてしまったという後悔の気持ちを表す。 |
| V(使役形)+てもらう/させていただく | 許可を求める、または許可を得たことを丁寧(フォーマル)に表す。 |
| V(使役形)+くれる/いただく | 誰かに許可してもらったこと、またはしてもらったことに対する感謝の気持ちを表す。 |
例文
例 1
子どもが習いたいというので、ピアノを習わせることにした。
例 2
冷蔵庫に肉があるのを忘れていて、腐らせてしまった。
例 3
母が入院したので、きょうは仕事を休ませてもらった。
例 4
「すみません、ここに荷物を置かせてもらえませんか」
例 5
私の家は貧しかったが、親は私を大学まで行かせてくれた。
注意点:
- 受身形と間違えやすい。→ 使役形は他人に「させる/許可する」ことであり、「される」ことではない。
- 「許可」か「強制」かのニュアンスに注意。→ 文脈による(例:「先生が学生に発表させた」は許可・強制の両方あり得るが、通常は「強制」のニュアンスが強い)。
- 使役形自体が丁寧なわけではない。→ 丁寧にお願いする場合は「~させていただく」などの特別な表現を使う。
4. 自動詞を使った表現 & ~み
| 自動詞 | 動作主を強調せず、自然な状態として性質、状況、または可能性を表す。 |
|---|---|
| イA/ナA語幹+み | 一部の形容詞を名詞化し、性質の程度、感覚、またはニュアンスを表す。すべての形容詞に使えるわけではない。 |
例文
例 1
このかばんは軽くてたくさん入るので、旅行に便利だ。
例 2
「壊れやすいものですから、気をつけて運んでください」
例 3
丸みを帯びた形・青みを帯びた白・厚みのある板
例 4
校長は入学式で毎年同おなじことを言っている。ぜんぜん新鮮味がない。
注意点:
- すべての形容詞に「~み」が使えるわけではない。「痛み」「苦み」など決まった言葉があり、試験で勝手に作らないこと。
- 「~さ」と間違えやすい。→「~さ」は客観的な程度(高さ、長さなど)を表し、「~み」は主観的な感覚や状態を表す。
5. ~のではないだろうか/~ないかと思う
| 普通形+のではないだろうか /ないかと思う |
断定を避け、控えめに自分の意見や判断を述べる丁寧な表現。 |
|---|---|
| 普通形+んじゃない? /んじゃないかと思う |
会話でよく使われるカジュアルな表現。意見や提案を述べる時に使う。 |
例文
例 1
道が混んでいる。これでは間に合わないのではないだろうか。
例 2
彼は犯人ではないのではないかと思う。
例 3
「山田さんは甘いものが好きだから、おいしいお菓子がいいんじゃない?」
6. 縮約形
| ~ている → てる ~でいる → でる |
「~ている/~でいる」のカジュアルな縮約形。(例:座っている → 座ってる) |
|---|---|
| ~ておく → とく ~でおく → どく |
「~ておく/~でおく」のカジュアルな縮約形。(例:読んでおく → 読んどく) |
| ~なければ → なきゃ ~なくては → なくちゃ |
義務「~しなければならない」のカジュアルな縮約形。(例:帰らなければ → 帰らなきゃ) |
例文
例 1
「あそこに座ってる人、だれ?」
例 2
「来週までにこの本、読んどいてください」
例 3
「そろそろ帰らなくちゃ。遅くなると母が心配するから」
注意点:
- 書き言葉の標準形と間違えやすい。→「てる/でる」は話し言葉であり、主に会話で使われる。
- JLPTでは話し言葉の文脈に注意。→ カジュアルな会話の文脈でのみ縮約形を選ぶこと。
- フォーマルな文書、お知らせ、小論文などでは使わない。→ 書き言葉では「~ている/~でいる」を使う。